長男(7歳)が、初めてサッカーの合宿に参加した。
友達は誰も行かないのに「だってうまくなりたいもん」「ぜったい、ゆうしょうするんだ!(合宿内の試合で)」と、張り切って参加した。友達がいないとはいえ、上級生のお兄さんで何人か話せる人がいるので、その人たちを頼りにしていた。
不安
しかし、当日になって、上級生のお兄さんたちが都合で誰も行かないことがわかった。
他の参加者は隣町のスクールなので、長男はたった1人だけ。同じような背格好の子たちもいるけど、もともと友達なので、仲良さそうに走り回っている。
「子どもはすぐに仲良くなれるから大丈夫!」といって送り出したものの、さすがの長男も不安そうだったし、私も心配になってしまった。
長男にとっては初めての“1人でお泊り”、私にとっても、子どもが初めての“1人でお泊り”なのだ。
帰還
翌日の夕方に長男が合宿から帰った。
迎えにいったら、とても疲れたけど満足そうな顔で、「みて。ゆうしょうしたよ」と、メダルを見せてくれた。涙が出た。
「1人で大丈夫だった?」と聞くと「だいじょうぶだった。ともだちができた」と言った。
今回同じチームになった子たちが、「バイバーイ!」といって手を振って帰っていった。長男も「バイバイ」と手を振った。
無事に帰ってきて良かった、楽しく行ってこれてよかった、念願だった優勝メダルをもってこれて良かった、というので私は胸がいっぱいになった。
帰り道に長男がいろんな話をしてくれた。
「どうやってともだちになったかわかる? さいしょは、ともだちがいないから、お山ずわりをしてた。そうしたら、はなしかけてくれた子がいて、その子といろいろはなした。そうしたらその子が、『ともだちになろう』といってくれた」
「しあいは、けっかがなかなかきまらなかった。ピーケーもやったけど、それでもきまらなくて、もう1回しあいをやって、さいごにきまった」など。
帰宅
帰宅したら、長男はとても疲れてイライラしていたので、とにかく早くご飯を食べさせ、お風呂に入らせて寝かせた。それもそのはず、昨夜はほとんど眠れなくて、今朝は全力で試合をしてきた。寝るときも興奮して「まだねむくないよ!」など怒っていたけど、とにかく寝かせた。
おんぶして2階につれていくときに「ママ、おれゆうしょうしたよ。ゆうしょうしたとき、みんなでかたをくんでしゃしんをとった」と話してくれた。
布団に横になりながらメダルをながめて、「このメダルは、みんなでたたかって、かったしるしだから、このメダルをみたら、いつでもおもいだすかな」。
その様子を見ながら、私はなんだか幸せで涙が出てたまらなかった。
みんなと協力してやり遂げた・勝った喜びを、初めて味わったのだな。
幸せ
保育園に行っているときも、「かわいい」とか「できるようになった」とか、様々な幸せがあったけど、今までのものとはまた違うものだと思った。
不安を乗り越えて合宿に行ってきて、友達を作って、目標を達成してきた。チャレンジした、がんばった長男のことがまぶしくてしかたなかった。
「こんな幸せがあるなんて、思ってもみなかった」
本当にこれ。子どもがもっと小さいときにはわからなかったこと。自分がやったわけじゃないのに、子どもの姿を見てこんなにも誇らしく、幸せな気持ちになれる。
これから先も、長男や次男や三男が、こんな姿を見られるのかな?と思うと楽しみで仕方なく、子どもが3人兄弟で良かった、「こんなに幸せをくれてありがとう」と心から思った。